フープフラフープ

はらの趣味です

追尾

 

木曜日の仕事帰りは駅までバスに乗るのだけど、今日は良い時間にバスがなかったので歩いて帰ることにした。全部で2kmくらいの一本道の途中に喫茶店があるのでそこでほうれん草のパスタを食べて、そこからまた駅までの道のりを歩く。

人ひとりとすれ違えるくらいの太さの歩道で、わたしのすぐ前を二人の女の人が縦に列をなして歩いていた。追い越すほど急いでもないし元気もないので、歩くスピードを少し落として列に加わる。先頭は白Tシャツに薄ピンクの短パンの背の低い初老の女性、お散歩の出立ち。続くのは紺Tシャツに色の薄いデニム地のスキニーパンツの背の高い中年女性、お買い物の出立ち。そして最後尾は緑Tシャツにこれまたデニム地のワイドパンツの平均身長のアラサー女のわたし、暇そうな人の出立ち。

一定の間隔をあけて連なる三人はまるで小学生の登下校の列みたいで、少し楽しく懐かしくなりながら二度と思い出さないような取るに足らない考え事をする。お買い物の出立ちの人がわたしと同じような理由で列をなしているのであれば全く知らない人同士で登下校の列を組む不思議で少し愉快な現象が起きていることになるのだと思うと、謎の高揚感が生まれる。

そうこうしていたらお散歩の出立ちの人が右手を後ろでヒラヒラさせてから左折し、お買い物の出立ちの人もそれに倣って左折した。二人は日高屋の中に消えていき、わたしだけが直進を貫いた。その時に生まれた寂しさとはまた違う名状し難い感覚の余韻を連れて帰り、「あの二人が一緒に歩いてたんならわたしただの追尾する不審者じゃん」と気づいたのでこの気持ちを昇華させるためにブログにしたためたよ。