フープフラフープ

はらの趣味です

そこには魔法が宿る

この部屋は長く住もうと決めているので、部屋を片付ける努力をしている。まだ段ボールは7箱くらいあるけど、前の部屋の時は20箱くらい閉じたままだったのだからそれと比べれば大躍進だ。その一環で台所も片付けて、料理ができる状態になったので最近また自炊をするようになった。最初は主に節約目的だったんだけど、やってみると幸福度がかなり高く、今は自炊してそれを食べることが目的になってきている。

 

自炊のいいところ。①おいしい(おいしくないこともあるけどおおむねコンビニ弁当よりおいしい) ②人間らしい生活をしているという自己肯定感が得られ嬉しい ③面倒くさい代わりに達成感があり、完成品を盛り付け口に運ぶ瞬間が気持ちいい ④お気に入りの食器が使える ⑤作るのに時間がかかる料理(たくあん)が冷蔵庫にあるとそれだけでわくわくして早く明日になってほしくなる ⑥節約になる 

わるいところ。①面倒くさい(特にみじん切り) ②時間がかかる ③食材管理が難しく無駄にしてしまうと嫌な気分になる ④失敗するとものすごく辛い(空腹感や悲しみによる) ⑤つい食材を使いすぎて大量に作ってしまうため太るし永遠に食べてしまう ⑥マルチタスクを強いられるのがストレス

 

今日は友達が推している長谷川あかりさんのレシピで夕食を作ってみた。米と交互に口に入れれば永遠に箸を動かし続けられるような食べ物が生み出された。それを自分が作ったという事実が嬉しい。嬉しくておいしくて楽しい。

といっても、料理が好きなわけではない。料理は面倒くさいからできることならしたくない。だからといって完成された手料理を食べたから満たされるというものでもない(料理を作ってもらえるのは大変ありがたいことだが、その嬉しさや幸福感は自炊で得られるものとは違う類のもので、どちらも尊いが土俵が違う)。これは料理を作ってそれをいただくという一連の流れを完遂することによって得られる幸福なのだ。

 

その幸福を描いたアニメ「ダンジョン飯」にもハマっている。ファンタジー世界のダンジョンで倒した魔物を料理して食べるという作品で、設定と世界観が丁寧に作り込まれていてとても面白い。キャラクター達も魅力的で、喜怒哀楽の豊かなヒロインがおいしそうに食事する姿に癒やされる。なにより魔物でできた料理がめちゃくちゃおいしそうで、食欲を刺激されて料理のモチベーションになる。

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先日、簡単にできそうなたくあんのレシピを見つけたので自宅で漬け始めた。日に日に柔らかくなっていく大根を見るのが楽しくて愛しくて、手持ち無沙汰になると冷蔵庫を開けたくあんになりつつある大根を取り出してちょっとだけ眺めて戻す。完成が待ち遠しく、明日が来るのが楽しみだと久しぶりに思えている。週単位で完成する楽しみを持っておくことは、生きる上でかなり有用なエネルギー源になるようだ。月単位、年単位となるとその達成感もひとしおだろうが、報酬系の弱いわたしには週単位がぎりぎりのラインだろうと思う。

 

たくあんを作っている話を職場でしていたら、横から「料理女子モテるんじゃない~」と言われた。料理は苦手です面倒くさいので一番簡単なレシピで切り方も雑です人に食べてもらうために作ってません食べるの気持ちよくて作ってるだけですモテようと思ってたくあん育ててませんたくあんに謝ってくださいと、一瞬でたくさんの言葉が頭に浮かんだけど全て振り払って霧散させて、「たくあんじゃモテませんよ~w」と言った。たくあんを下げてしまったことに悲しくなった。たくあんごめん、たくあんお前は最高だよ。