フープフラフープ

はらの趣味です

止めどない青さの行き先は

 

人身事故で家に帰れない。きみには会えたけど家には帰れない。前も人身事故に遭って同じ曲を電車で聴いて、その時も今日会った友達と遊んだ帰りだったことを思い出す。

今日は友達の誕生日のお祝いだった。お互い誕生日のサプライズに対して「(笑)」という姿勢の人間なので、敢えてサプライズでお誕生日プレートを出してもらって相手の変なあだ名をプレートに書いてもらった。プレートきてから写真撮ってもらうまでふたりでずっと笑ってたら、写真撮る時に「呼吸を落ち着けて…!」と店員さんに言われた。後で確認したらすごく変な顔をした写真になっていた。

その後渋谷まで歩いて、スパゲティコード・ラブの陸橋で「スパゲティコード・ラブだ!」って言ったりイルミネーションをみて「川が光ってるよ!」って言ったりした。文章にするとクソつまんないけどめちゃくちゃ楽しかった。こういうバカで愛しい時間がずっと続いたらいいのに、と思った。

渋谷のビアバーで他の人には言えないような最低な話をたくさんした。自分と同じくらい性格の悪い人といる時間は最高に楽しい。

そんな友達に恋人ができそうで、結婚も考えているという話がでた。嬉しい気持ちと寂しい気持ちが同じくらいある。結婚したら遊ぶ頻度は確実に減るし、できなくなることが増える。仕方ないしみんなそうしてるんだろうけど、そんなのって割り切れない。こういう話も前に書いたな、わたしはいつも同じ話ばっかりぐるぐるぐるぐるしているな。

出会ってちょうど2年が経つ。人生の中のたった1/15の期間、月に1回だけ会う関係の友達。月に1回会っても、いつも話すことの尽きない友達。あなたの別れ際の「来月は何日にする?」にだいぶ救われてること、あなたはこれっぽっちも知らないんだろうな。酔いもあって、頭も痛いし、書いてたら画面が滲んできた。今いるのが終電の人の少ない車両でよかった。

これが「来年は何月にする?」になるのは嫌だ。「3年ぶりだね、子供大きくなったね」になるなんて絶対無理だ。でもわたしのこの気持ちが相手の足枷になり、重しになることもわかっている。別に年がら年中一緒にいたいわけじゃないし、今くらいの頻度で会いたいってだけなのに、そんなことすら叶わなくなるのなら家庭なんていらないし、家庭という概念なんてなくなればいいのにと思ってしまう。嬉しいのと寂しいのが半々なんて自分をきれいに見せるための嘘だ。寂しい気持ちしかないに決まってるだろ。友達の幸せを素直に喜べないの、最低だと思う。でも、やっぱり、喜べないよ。わたしはまだ、そこまで大人になれてないよ。

「今夜すきやきだよ」という最高の漫画がある。女ふたりで同棲して、片方は家賃を、片方は家事を負担して、友達とは違う、相棒みたいな存在として暮らす話。家賃担当の方に結婚話が出て、家事担当が「結婚してほしくない」と悩む回があって、ニュアンスはちょっと違うけど、わたしと同じようなことを考える人がいることに、少し安心する。この漫画の帰着点は理想の中の理想だけど、現実にこんなことほとんどありえないこともわかっている。だからこそ、この漫画を繰り返し読んでしまう。楽しい夢を見てしまう。

「今夜すきやきだよ」はライン漫画で無料で8割くらい読めるので、ぜひ読んでね。

 

同じ駅に停まり続けてもうすぐ1時間が過ぎる。斜め前に座っていた女性は5分前に席を立った。1時間も待ったんだから待てばいいのに、と思ったけど、きっと誰か家族が車で迎えにきてくれたんだろうな。現在地から自宅までのタクシー代を調べたら11000円だった。電車はまだ動かない。早く帰りたい。