フープフラフープ

はらの趣味です

排気ガスを吐いて腹ペコのコンパクトカーが来る

 

近いうちに引っ越すことになり、引越し先の交通の便が非常に悪いため通勤に車を使うことになった。

運転免許は持っているが18で免許を取ってから1度しか運転経験はなく、それだって5年以上前の話なので運転技術に関しては赤ちゃんと同レベルだ。エケチェン。

 

このままでは通勤初日に病院送りになってしまうので、父にお願いして実家の近くで運転の練習をさせてもらうことになった。

まずは市営体育館の駐車場をぐるぐるしたり駐車したりして、その後その周囲の公道を30分くらい走ったのだけど、めちゃくちゃ神経使ってめちゃくちゃ疲れた。30分の運転なのに映画4つハシゴした時より疲れた。

 

だって車って考えること、気をつけることが多すぎじゃない?どうしてまわりのみんなや世間の人たちが簡単に乗りこなせているのか理解できない。

前方を見て車線の真ん中を走るようにして、車間距離を保って、人や対向車が来たらちょっと寄ったりして、なにか出てきそうなところではブレーキに足を乗せて、サイドミラーやバックミラーをチラチラ確認して、走行速度を確認して速すぎても遅すぎてもだめで、ナビで行き先を確認して、曲がる前はウインカーをつけて、横から車が来ないか他に曲がる車はいないか見て、信号に合わせて減速して、見ずらいカーブミラーも見て、普通に走るだけでこんなに、こんなにやることがある。おかしいよ。

わたしはマルチタスクが苦手で、そうなるともちろん車の運転もめちゃくちゃ苦手なことに気づいた。これを通勤に使うのはかなりのストレスだ。いつか慣れるのかな。

 

一歩間違えたら死ぬ、という状況って、普通に生きていてなかなかあるものじゃない。

屋上には手すりがあるし、信号を守れば基本的には事故も起きないし、駅のホームにはホームドアが標準装備になってきているし、街中に毒ガスが漂っているわけでもないし、襲ってくるモンスターがうろついているわけでもない。

けれども車を運転しているときは、例えば何か不測の事態が起きて思いっきりハンドルを切っただけで壁にぶつかって死ぬかもしれないし、アクセルとブレーキを踏み間違えただけで誰かを轢き殺すかもしれないし、急ブレーキを踏んだだけで後続車から追突されて首が折れるかもしれないのだ。

いまこの瞬間、たったひとつ選択を間違えるだけで人生が180度変わってしまうのかもしれないと、そう思うだけで肝が冷えるし、緊張とはまた少し違うなにか高揚感に近いものが胸の中に沸る感覚が怖くなる。

「ここでこの上司にお茶かけたらどうなるんだろう」と考えた時の感覚に似ているなと思う。

そんな風に今までの人生にほとんどなかった感覚を味わわされるのがすっごくストレスで、それで疲れちゃったんだと思う。

もともとゲームとか操縦的なことは大好きで、絶対に事故らないのであれば運転楽しいなと思うはずだもん。

あーあ、なんでみんなあんなでっかい高速で動いて人を殺せる鉄の塊を平気で操縦してられるんだ。すごい。

 

とにもかくにも4月までにはまともに乗れるようにならなきゃいけないんだ。

映画のドライブマイカーを観た時、車に乗れる友達が「車に乗る人にしかわからない感覚があった」って言ってた。そういうのもわかるようになるのなら、人生経験として車に乗る日常を経験できるのは良いことなのかもしれないな。と、少しでもポジティブに考えましょう。

実家に帰るのも面倒だし練習もしたくないけど、頑張らなくちゃなー。

 

寝て起きたらめちゃくちゃ運転上手になってたらいいのになー。