フープフラフープ

はらの趣味です

知ってた?

 

 

今日は仕事の後に予約してた子宮頸癌のワクチンを打ってきた。まだ秋だけど寒がりで裏起毛のスウェットを着てその上からコートを羽織っていたので、病院で体温をはかったときに37.6度が出てしまった。「これは打てませんね…」と言われ焦って「これ、裏起毛なのでそのせいかと!」と言って、つけてくれた扇風機で服の中を換気してからはかりなおしたら37.0度で事なきを得た。めちゃくちゃ痛いってきいてたから「わたし、痛がりなので痛がると思いますが、いつものことなので一気にやっちゃってください」と伝えた。注射は普通に痛くて目をぎゅっとしたけど、インフルエンザの予防接種よりは痛くなかった。打ってくれた看護師さんが「一気にやりましたよ!」とドヤ顔していてかわいいなと思ったから、「思ったより痛くなかったです!」とドヤ顔をし返してお互いにこにこした。痛みは5分くらいでとれたので、言うほどそんなに怖い注射じゃなかったなと思った。お会計で(マジかよ…)と思ったけどそれは顔に出さないようにした。自費診療ってヤバい。回らない寿司よりよっぽど高級な注射を打ってしまった。でも将来癌にならないためだからしょうがないよなと自分に言い聞かせて、最終的にまぁ支払うのは来月のわたしだしな、と思い至って颯爽とカードを切った。

 

その後はまた前の職場でいろいろやってたから、帰るのがかなり遅い時間になってしまった。雨が降っていてみんな傘をさしていたけれど、折りたたみ傘をリュックから出すのが面倒くさくてコートのフードをかぶってそのまま歩いた。相変わらず長靴だけはちゃんと履いてきていたから、水たまりも遠慮なくばしゃばしゃ歩ける。わざと水たまりを歩いていたら跳ねた水がちょっと足にかかった。

 

電車に乗り込んだら定期的に靴をキューって床と擦ってる人がいて、黒板を引っ掻いたみたいなすごく嫌な音で、キューってしないでほしいなと思った。靴業界の人は、雨の日に床に擦ってもキューってしない靴を作ってほしいと思った。それくらい凶悪な音だった。

 

家に着く頃には23時をまわっていて、もう今日はなんにもできないなぁと思いながら電気もつけずにリビングのソファで溶けている。自分の輪郭が曖昧になってきて、持ってたスマホが床に滑り落ちてしまった。猫は液体というけれど、人間も疲れると液体になってしまうことがある。わたしだった液体を瓶に詰めてしっかり蓋をして、家の近くの川に流した。海に流れつく頃には明日の朝になっていて、いつのまにか固体に戻ったわたしがベッドで目覚めることになる。そしてまた夜になったら、溶けたわたしが海に還る。太平洋とわたしの体はそうやってできている。知ってた?