フープフラフープ

はらの趣味です

なんでも知ってますね

 

なんでも知ってたいと思う。でも知るってことの中には受け止めて考えるってところまでが含まれていて、それをひとつひとつの事柄にやっていくのは膨大な時間が必要になる。仕方ないからたくさんあるものの中からなにを知るのかを選んで、それが進路だったり、考え方だったり、生き方だったりに反映されていく。好きだったらもっと知りたいと思うけど、好きだからこそ知りたくないこともあるし、全然好きじゃないのにたくさん知っているものもある。全然好きじゃなかったのに、たくさん知ったら好きになったものもある。

 

RRRをみてきた。ほんとうは早起きしてキネマ旬報シアターでLOVE LIFEを観るつもりだったんだけど、LOVE LIFEチャレンジは通算3回目の失敗。もう一生観られない気がする。でもRRRがとても面白かったのでヨシ。

基礎知識が全くなくてもめちゃくちゃ楽しめるけど基礎知識があるともっと楽しいよ、ってやつ、大衆文化として最強だと思う。門戸も広いし、そこから掘ろうと思えばいくらだって掘れる。RRRはそんな映画。

わたしは社会科が超苦手で高校の世界史も赤点ギリ回避くらいでやってきたので、正直第一次世界大戦とか言われても「なんか日本側が勝ったっぽい」くらいのことしかわからないし、インドがイギリスに支配されていたのも「言われてみればそんな気がする」程度。全く興味がなくて覚える気が1ミリもなかった。RRRはインドの歴史に基づいた物語で、背景を知っていたらもっと解釈が深まるのだろうな、という部分が振り返ってみると多々あった。

解釈なんぞ深めなくてもこの映画にあふれる最高の「友情・努力・勝利」は存分に享受できるし、映像みてるだけで超楽しい。でもやっぱ、知ってることでもっと楽しめるのなら全部知ってたい。そもそも知識ないと楽しめない作品だってあったりする。そこまでいくとそれは知識人に向けた作品になってしまうから、悲しいことにわたしに向けたものではないということになってしまう。映画はだれにでも等しく開けたものであってほしいと願うのは、知らないことがたくさんあるわたしのエゴです。知らなくちゃ到達できないところがあるからこそ、だれにでも開けた文化が存在しているのにね。

この前読んだ原田ひ香の「人生オークション」という本の中の一作も、知らないと気づくことのできない核心に近いものがあって、解説文を読んで自分の教養のなさに滅入った。同時に、そんな大事なことがわからなかったのにこんなに楽しめる本、すげえなと思った。

もしタイムマシンがあるのなら、中学か高校に戻って「おまえが今1ミリも興味のない科目こそ今後の人生の糧となるのだからもっとちゃんと勉強しろ」とわたしを説得する。勉強は受験のためのものでもあるけど、(特に文系科目は)色々なものに感動するためにあるなと今になると思う。今から勉強しても遅いことはないけど、若くて時間もあって今よりも吸収力・定着力のある脳みそを持つ思春期にやっておけば、と何度も後悔した。

あと一般常識レベルの歴史を知らないことが普通に恥ずかしい。それに知らないことで誰かを傷つけてしまうこともきっとあると思う。だから本買った。買ったの前の家にいたときだから、買ってから数年経ってるな。

 

 

何回か読もうとしたけど頭に入らない。すごくわかりやすいけど、やっぱり歴史自体にはあまり興味が持てなくて、読むのに時間かかって途中で読むのやめちゃう。映画とか、旅行とか、そういった歴史を知った先にあるものは大好きだから、ほんとうは歴史のこと全部知っておきたいのにな。

 

歴史だけじゃなくて、ほんとうは面白いものやすごいものってたくさんたくさんあるのに、わたしは老いるし世界は先に進むから、どうやったってその一部しか知ることができない。わたしがこれから好きになるまだ出会ってないもの全部知りたい。そうするには、人と関わることが一番の近道だって、最近わかってきた。最近好きになったもの、ほとんどが誰かの影響を受けている。

人付き合いが苦手で友達なんて滅多にできないから、ぽけっとタイムラインみてるだけで新しいものが流れてくるTwitter、ありがてえなって思う。

 

こうやって、生きてるうちに知れることに限りがあるから、もとから同じものをたくさん知っている人に親しみを抱いてしまう。この人はわたしと同じものを選んできたんだなって思う。絹ちゃんと麦くんみたいに、これは運命だなって思っちゃったりしたこともある。好きなものの共有ってすっごく楽しくて、最初からそれがあると関係の構築が楽なんだよね。

だけども、知ってるものや好きなものだけがその人の価値や性質を決めるわけじゃない。むしろ知らなかったものに対する姿勢が大事な気がしてる。知ろうとすることは体力も時間も必要だけど、だからこそ、あなたの好きな、わたしの知らないものを、もっとたくさん聞いて、知って、好きになって、わたしの好きな、あなたの知らないものを、たくさん教えてあげられるような人がひとりでもいたら、それだけで幸せなんだと思う。読点多いな〜。